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正解した問題も繰り返した方がいい?【記憶法に関する驚きの実験結果】

正解した問題も 繰り返す?
効率よく成績を上げるために欠かせない学習法

正解した問題も繰り返した方がいい?【記憶法に関する驚きの実験結果】

今回は「正解した問題も繰り返した方がいい?【記憶法に関する驚きの実験結果】」という題で書いていきます。

塾生から「正解した問題はもう繰り返さなくていいんですよね?」という質問をいただいたり、「間違った問題だけ繰り返してます」という報告を聞いたりすることが多いのですが、実は、その状況について少し心配しています。

前回は「同じ1冊の問題集を何度も繰り返す意味はありますか?」という問いへの答えとして

・知識や技術が定着し、対応力が上がる
・時間の節約になる
・自分だけのウィークポイントを克服しやすい

といった理由を挙げ、「同じ1冊の問題集を何度も繰り返す意味はある」ということをお伝えしました。

しかし、その繰り返す大切さを理解した人でも、正解した問題については油断がすごい。

すごいんです。

ということで今回は、正解した問題も繰り返す方がいいのかどうか、驚きの実験結果とともにお伝えします。

記憶法(見返し方、テストの仕方)に関する重要な実験

まずは、記憶法(見返し方、テストの仕方)に関するある研究結果を見てみましょう。
これは学術雑誌『Science(サイエンス)』に2008年に掲載された米パデュー大学のカーピック博士の研究です。
※『受験脳の作り方 脳科学で考える効率的学習法(池谷裕二著)』

受験脳の作り方
(画像はamazon)

 や『アウトプット大全(樺沢紫苑著)』

アウトプット大全
(画像はamazon)

 などに引用されています。

どんな実験だったのか

博士はワシントン大学の学生40人を4つのグループに分け、スワヒリ語の単語を40個覚えてもらうという実験を行いました。
実験では、まず全員に40個のスワヒリ語を暗記してもらい、覚えたかどうか確認テストを行います。
そしてその後、生徒たちはグループごとに以下のような別々の記憶法を試されました。


【グループ1】
テストで満点が取れなかった場合、すべての単語を見返しすべての単語が出題されるテストに挑戦する。満点になるまで繰り返す。

【グループ2】
テストで満点が取れなかった場合、間違えた単語のみを見返しすべての単語が出題されるテストに挑戦する。満点になるまで繰り返す。

【グループ3】
テストで満点が取れなかった場合、すべての単語を見返し間違えた単語のみが出題されるテストに挑戦する。間違える箇所がなくなるまで繰り返す。

【グループ4】
テストで満点が取れなかった場合、間違えた単語のみを見返し間違えた単語のみが出題されるテストに挑戦する。間違える箇所がなくなるまで繰り返す。


この実験におけるグループごとの記憶法で、重要な違いは2点あります。

1つは赤線で示した、すべての単語を見返すか、間違えた単語のみ見返すか、という「見返し方」。
(グループ1と3、グループ2と4が、同じ方法の見返し方になります)
もう1つは黄色線で示した、すべての単語をテストするか、間違えた単語のみテストするか、という「テストの仕方」です。
(グループ1と2、グループ3と4が、同じ方法のテストの仕方になります)

結果はどうなっかたというと、【グループ1】と【グループ2】が満点になるまで、そして【グループ3】と【グループ4】の間違える箇所がなくなるまでの速さ、繰り返し数は変わりませんでした。

あれ?どのグループでも同じ?じゃあ、間違ったものだけ繰り返せばいいじゃん!という話になると思うのですが、ここからが重要です。

この実験には続きがあって、実は1週間後に同じテストをしたところ、次のような結果となりました。

【1週間後のテストの結果】

【グループ1】と【グループ2】・・・約80点 (なかなかいいですね)

【グループ3】と【グループ4】・・・約35点 (えっ!!??)

グループ1と2に比べて、グループ3と4は、点数が半分以下!

かなりの差がつく結果になってしまったのです!

この実験から何がわかるのか

1週間後も高得点をとった【グループ1と2】と、1週間後にはかなり点数を下げてしまった【グループ3と4】では、何が違ったのでしょうか。

先ほど、見返し方(赤線)とテストの仕方(黄色線)についてグループ間で記憶法の違いがあると言いましたが、実は、テストの結果に差が生まれたのは、見返し方の方ではなく、テストの仕方の方でした。

つまり、見返し方に関わらず、「時間が経ってから高得点をとったのは、すべての単語が出題されるテストに挑戦していた方」だったのです。

特にグループ3の人たちは、すべての単語を見返していたにもかかわらず、間違えた問題だけ解いていたばっかりに一週間後には35点、、、
(一度は満点になるまで頑張ったのに、、、)

逆に、グループ2の人たちは、見返したのは間違えた問題だけだったのに、すべての問題を解いていたおかげで一週間後でも80点、、、
(この時間とエネルギーのお得感がすごい!)

もう、言葉は必要ありませんね。

いや、それでも言いましょう。

今回のタイトルは「正解した問題も繰り返した方がいい?」というものでした。

答えは出ましたね。

正解した問題も繰り返した方がいいのかどうかについて、この実験から言えること。それは、、、

正解した問題も、繰り返した方がいい!ということです!

さらに、繰り返し方は、インプット(見返し)よりもアウトプット(テスト)が大切です。
(実験で、時間が経ってから高得点をとったのは、すべての単語が出題されるテストに挑戦していた方でしたね)

危ないのは、間違えた問題ばかり勉強していると、いつのまにか正解できていたものまで正解できなくなる可能性があるという事です。

よって、正解した問題も、繰り返しテストしましょう!

記憶的に断然お得です!

まとめ

記憶法に関する実験結果が示しているのは、見返し方に関わらず、

「すべての問題を繰り返しテストすること」が記憶の定着につながるということ。

正解した問題も、繰り返しテストする価値があります。

成績を上げたいならば、むしろ必須!

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