夏期講習はどのくらい受講すればよいですか?という質問をたくさんいただく季節になりました。
多くの塾にとって夏期講習は商戦(稼ぎ時)という側面があるため、広告やダイレクトメールなどでたくさん受講することを勧める風潮があり、不安になる方も多いですよね。
夏休みは学びのチャンスであることは確かなのですが、不安をあおられるあまり、効果がでにくい夏期講習の受け方をしてしまわないよう注意が必要です。
ということで今回は、夏期講習の効果的な受け方と注意点について解説します。
夏期講習の効果的な受け方と注意点
夏期講習の効果的な受け方と注意点について、先に結論をまとめると以下のようになります。
- 勉強のリズムを崩さないようにするのが効果的
(「短期集中だけ」はNG) - 復習の時間を授業と同じくらいとるのが効果的
(「詰め込み過ぎ」はNG)
それぞれ詳しく解説していきますね。
勉強のリズムを崩さないようにするのが効果的
夏期講習を利用して、勉強のリズムを崩さないようにするのはとても効果的です。
夏休みに入ると学校がないため、勉強のリズムが一気に崩れてしまうことがあります(生活リズムもですね)。
そうなると、集中して勉強しにくくなったり、さらには2学期のスタートがスムーズにいかなくなったりする可能性が高まります。
そのため、学習や生活のリズムを整えるために夏期講習を利用するというのは有効です。
毎日塾に通うことをしなくても、塾の時間と同じ時間に毎日勉強するようにするだけでも十分効果があります。
重要なのは、「この時間はいつも勉強している」という、習慣としての学習時間があることです。
勉強のリズムを維持することに塾を利用するという意識で夏期講習を受講しましょう。
「短期集中だけ」はNG
勉強のリズムを維持するという点でいうと、「短期集中だけ」にかたよった夏期講習の受講はおすすめできません。
例えば、「夏休みの最初に短期集中で夏期講習を受けて、その後はほとんど勉強しない」というスタイルはありがちですが、とても危険です。
短期集中で学び、その他ではあまり勉強しないという過ごし方をしてしまうと、
- 勉強のリズムがくずれて、集中しにくくなる
- 勉強しない期間が長くなり、知識が大量に失われる
という結果になりかねません。
「短期集中」がすべて悪いわけではないのですが、それだけになると危険です。
定期的な受講や家庭学習で、リズムをくずさないことを優先しましょう。
復習の時間を授業と同じくらいとるのが効果的
夏期講習は、「復習の時間を授業と同じくらいとる」ことを念頭において受講するのがおすすめです。
これは通常の学校の授業でも塾でも同じですが、授業を受けただけで知識が定着することはほとんどありません。
繰り返し復習して初めて定着し、使える知識になります。
特に夏期講習では「一学期の内容の総復習+前学年までの総復習」など、広い範囲を学習することが多いです。
そうなると、少し復習の時間を取るだけでは間に合いません。
「同じ問題を再テストし、丸付けし、解説を見ながら学び直す」ことを2周するくらいの復習時間を取るようにしましょう。
復習の効率という意味では、いつも使っている塾や学校の問題集を利用すると、繰り返しになるため特に効果的です。
(夏期講習の教材をその後たくさん繰り返すなら、新しい教材でもとても有効です)
「詰め込み過ぎ」はNG
復習が重要であることを考えると「詰め込み過ぎ」はNGです。
これは時間と内容の両方に言えます。
例えば、
- 夏期講習を毎日一日中受講して、復習する時間がとれない(時間的な例)
- 夏期講習で学ぶ内容が多すぎて、復習が間に合わない(内容的な例)
という状況はよくあります。
このように復習ができない状況になると、「たくさん頑張ったのに何も残らなかった」という結果になりかねません。
時間的にも内容的にも詰め込み過ぎにならないように注意し、復習に重点をおいて夏期講習を受講するようにしましょう。
結局、どのくらい夏期講習を受講するといいの?
では、結局、どのくらい夏期講習を受けるとよいのでしょうか。
正直なところ、「ここまでの内容を理解したうえで、お子様本人のやる気とスケジュールに合わせて検討しましょう」としか言えないのですが、以下に少しだけ目安を示してみます。
自主学習がたくさんできる場合
=週に2回(2日おき)の受講
以下の学習を3日で1セットこなすイメージ
塾の授業(時間は短くてもよい)
塾の授業の復習
塾の宿題(量多め)
学校の宿題(量多め)
自主学習が得意ではない場合
=週に3回(1日おき)の受講
以下の学習を2日で1セットこなすイメージ
塾の授業(少し長い時間がおすすめ)
塾の授業の復習
塾の宿題(量少なめ)
学校の宿題(量少なめ)
※どちらも休養日(予備日)を1日確保して考えています。
これらはあくまで目安です。
週1回の授業で家庭学習を頑張るのもあり(受験生だと少し不安ですが)ですし、週5日で1日5時間の夏期講習に参加するのもしっかり復習できるなら有効です。
学習リズム、復習時間の確保、本人のやる気、自主学習が得意かどうか、ご家庭のスケジュールなど、いろいろな要素を総合して、夏期講習の受講回数を決めていただければと思います。
まとめ
夏期講習の効果的な受け方と注意点について解説しました。
- 勉強のリズムを崩さないようにすること
(「短期集中だけ」の学びを避けること) - 復習の時間を授業と同じくらいとること
(「詰め込み過ぎ」の学びを避けること)
これらのことを意識しつつ、本人のやる気やご家庭のスケジュールなどのいろいろな要素を総合して、夏期講習の受講回数を決めていただければと思います。
夏期講習を受講せずに家庭学習だけで頑張る予定の人も、気を付けるべき点は同じです。
みなさんの夏休みが有意義なものになることを祈っています!